こんにちは、サラリーマンボディビルダーのDOKIOです。
仕事をしながらボディビルをしており、社会人とボディビルを両立するための情報を発信しています。この記事ではバルクアップ期に食事でとるべきマクロ栄養素の量を解説し、筋肥大の効率を高める方法を紹介します。
バルクアップの時と減量の時でマクロ栄養素のバランスって変える必要があるのかな?筋肥大を最大化するためのマクロのバランスを知りたいな。
減量期とバルクアップ期ではマクロのバランスがちょっと変わってくんだ。カロリーバランスがプラスの時とマイナスの時で筋合成のしやすさが変わることが原因みたいだね。
今年もコンテストシーズンが終わり、バルクアップの季節になりました。バルクアップの食事はカロリーバランスだけでなく、マクロのバランスも重要です。
特に意外と必要なタンパク質量は少なく、炭水化物を増やしていくことがメインになります。
炭水化物を増やすことでトレーニングパフォーマンスも向上しトレーニングボリューム高まることで筋肥大が相乗効果で加速します。
バルクアップにおけるマクロ栄養素重要性
マクロ栄養素とは、タンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素を総称してマクロ栄誉素と呼びます。
筋トレ界隈では英単語の頭文字をとってPFC = Protein・Fat・Carbohydrateとも呼ばれます。
筋トレをしてバルクアップをするために重要なことは、筋トレ・カロリーバランス、そしてその次がマクロ栄養素の摂取量になってきます。
まずは筋トレをすることで筋合成のスイッチをいれ、カロリーバランスをプラスにすることで筋肉の材料をエネルギーとして使われることを防ぎ、そしてマクロ栄養素の量を管理して筋細胞へ材料を適切に供給するという流れです。
まずは筋トレとカロリーバランスのプラスを意識してください。
バルクアップのためのマクロ栄養素の役割は理解するために、車を作ることをイメージして下さい、車にはボディやエンジン、シャシーなど様々な部品がありこれらを組み合わせて作り上げます。
これらの部品のうちボディばかり供給しても車は出来ませんし、材料は余ってしまいます。
筋肉を作るのときも同じです。必要な栄養素が足りなければ筋肉は出来ません。車との違いは余った栄養素はスクラップになるのではなく脂肪となって蓄積されることです。
従いマクロ栄養素の量を適切に設定することは筋トレによる筋肥大効果を最大限に引き出すために重要な作業です。
トレーニングをしてカロリーバランスをプラスにしても、マクロ栄養素のバランスによって筋肉と体脂肪の増える割合が変わってしまうんだ。
マクロ栄養素の役割
まず大前提として、筋肥大において必要のないマクロ栄養素はありません。全て必要であり一つ一つ役割があります。
恐らくあなたも学校でタンパク質は身体を作るとか、炭水化物はエネルギーになるというレベルは習ったと思いますが、もう少しだけ踏み込んでみましょう。
タンパク質(P:Protein)
言わずと知れた筋肉を作るために最も重要なマクロ栄養素はタンパク質です。
タンパク質は筋肉の材料となる栄養素で一度体内にアミノ酸として吸収されたのち、筋細胞のアミノ酸プールに蓄えられ筋合成に使われます。
タンパク質の摂取は筋肉の肥大・筋力の向上に有効であることが分かっています。
またタンパク質の摂取には血圧や血糖値のような心臓血管系の生活習慣病のリスク因子の改善効果があるとされ、健康的な生活を送る上でも重要な栄養素です。
筋肉以外の身体の組織の材料となるので不足すると体に悪影響が出るのは容易に想像できますね。
この記事を読むほど筋トレリテラシーの高い人はまず間違いなく効果を理解していることでしょう。
脂質(F:Fat)
次に脂質です。脂質は一昔前は健康を損なったり肥満の原因となるとして悪役でした。
最近では逆に良質な脂質は健康に良いということが分かっており、また諸説ありますが血糖値を上げにくい分太りにくいともいわれています。
筋トレ時のエネルギーとしてあまり使われないため、ボディメイク競技をしているひとで極端な脂質カットを行う人がいますが、お勧めできません。
なぜなら脂質にはテストステロン等のホルモンの材料となるため、脂質不足がテストステロンの産出量を減らし結果として筋肉の合成量も下がってしまうからです。
ビタミンの吸収にも脂質が必要なため極端なカットは身体の調子を崩す可能性もあります。
また脂質は種類にも注意したいです。脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という種類があり、飽和脂肪酸を中心に体重を増加させた場合増加体重の脂肪割合が増えたという研究があります。
飽和脂肪酸は主として肉の脂質に含まれる常温で固体の脂であり、不飽和脂肪酸は主に植物性や魚の油のイメージです。
飽和脂肪酸は意識せずとも摂取できるので、脂質を取る際は不飽和脂肪酸を取るように意識しましょう。
炭水化物(C:Carbohydrate)
炭水化物は糖と食物繊維などの総称ですが、ここでいう炭水化物とは糖質のことです。
糖質は筋肉や脳のエネルギーとなります。当然筋トレをする人は多く消費するためトレーニーにとって必須の栄養素となります。
近年はケトジェニックダイエットなど糖質制限が流行っており糖質は悪という考えも横行していますが、そんなことはありません。
糖質の不足は筋肥大の効果を下げるといわれています。原因として筋肉の成長をコントロールする遺伝子の減少やテストステロンの濃度の低下などが言われています。
また、糖質の不足はトレーニングパフォーマンスの低下が起こります。
これは糖質制限をしたことのあるトレーニーは体感として感じられると思います。(私も体感済み)
明らかにトレーニングのrep数が低下し粘りが効かなくなります。低糖質のあと糖質をたっぷりとってトレーニングすればこの違いは明らかです。
嘘だと思う人は1週間くらい低糖質で生活してからトレーニングして、その後糖質を2~3日しかっかり補給してからトレーニングすれば間違いなく体感できるでしょう。
体感できなかった人は問い合わせフォームでもXでもいいので教えてください。
これ食っとけばいい!これはいらん!みたいな情報が定期的にでまわるけど実際にはバランスが大事なんだね。
めちゃくちゃ当たり前の話なんだけど、どうしてもキャッチーな情報に食いつきがいいから極端な話が流行りがちだね。
その方が考えなくていいし楽なんだけど、効果は…だからきちんと情報を見極めて踊らされないようにね。
バルクアップに必要なマクロ栄養素量
では具体的に必要な各栄養素の量を確認していきましょう。
必要なマクロ栄養素は体重1kgあたり○○g/1日という単位で一般的に表記されます。このグラム数に自分の体重をかけることで必要な摂取量が分かります。
タンパク質(P:Protein)
筋肥大の為に必要なタンパク質の量は体重1kgあたり1.6~2.2g/1日です。
つまり体重70kgの人であれば毎日112g~154gのタンパク質を摂取する必要があります。鶏むね肉換算でいうと500g~650g程度食べる必要があります。
筋トレ初心者の場合比較的少ないタンパク質量で筋肥大が起こることが知られており、1.6g/1日というのは初心者の筋肥大効果が最大効率になるという値です。
筋トレ上級者になるほど筋肥大に必要なタンパク質の量が多くなっていき3年以上のトレーニング経験者は2.2g/1日が最大効率になるという研究があります。
恐らくあなたの思っている量よりもちょっと少ないと感じると思います。
もしタンパク質の摂取がきついと感じているなら少し減らしてその分炭水化物でとるとカロリーを確保しやすくなるので増量中の食事がきつい人にはお勧めです。
これはバルクアップ時のタンパク質量です。減量期間中は筋分解を防ぐためにもう少しタンパク質を多く摂取する必要があるため注意して下さい。
ビルダーの人には3g/1日とか5g/1日の人がいるけど、そんなに必要ないんだ
バルクアップ中は特に2g/1日程度取れていれば良いので、プロテインも使えばすぐに取れるね。
脂質(F:Fat)
筋肥大に必要な脂質の量は体重1kgあたり1.0g/1日です。
体重70kgの人なら1日70gの脂質を摂取する必要があります。脂質70gは鶏もも肉550g分です。
意外と多いなと感じるかもしれませんが、豚バラなら200g程度で可能ですし、炒め物などの調理に使う油を考えるとおおさじ1杯で14gもありますので見えない部分に多く含まれています。
クリーンな食材にはそれほど含まれていませんが、実は焼き菓子などのお菓子を食べる人はかなり知らない間に摂取しています。
クッキーは100gあたり30gもの脂質を含んでおり、チョコレートなら40gが脂質です。
加工食品や菓子を日常的に食べる人は脂質不足は無いと思います。(カロリーオーバーはあるかもしれませんが)
毎日自炊してクリーンな食事を心がけている人は意外と脂質不足に陥りがちなのでマクロを計算して、不足分はmctオイルなどで補うようにしましょう。
ストイックないわゆるビルダー飯を食べる人は意外と不足しがちなので、便秘や力が入らないなどの症状があるときは脂質不足を疑ってもいいかも。
炭水化物(C:Carbohydrate)
炭水化物の摂取量は体重1kgあたり4~7g/1日にです。
体重70kgの人なら280g~490gの炭水化物が必要にります。炊いたご飯でいうと800g~1400gになります。
炭水化物は後述しますが、必要なタンパク質と脂質を確保したうえでの調整代となるため人によって様々だと思います。
健康のために最低でも100g程度は必要と言われていますが普通に生活しているレベルで不足することはないでしょう。
私の体感としては炭水化物をガンガンに入れた方がトレーニングパフォーマンスが向上するため、増量期は大目に取っています。
個人の経験としては、一番バルクアップした時期は炭水化物の量を結構取っていたというイメージがあります。
人によっては炭水化物を入れるとブクブク太ってしまうという人もいるので体の反応を見ながら調節していくと良いでしょう。
とりあえず5g/1日くらいから始めて調整するといいよ
まとめると以下のような感じになります。
タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
---|---|---|
1.6~2.2g/1日 | 1.0g/1日 | 4~7g/1日 |
マクロ栄養素バランスの計算方法
注意点としてマクロ栄養素量は食材の重量ではありません。たまに誤解している人がいるので先に言っておきます。
例えば鶏の胸肉のマクロ栄養素はほとんどタンパク質ですが100gあたりタンパク質は23gほどしかありません。これは肉には水分が含まれているためです。
このようにマクロ栄養素のグラム数は食材とは違う点に留意して、それぞれの食材にどれくらい含まれるのかを確認したうえで食事の量を決めてください。
まずタンパク質と脂質の量を計算します。これらは計算で自動的に決まります。70kgの人でタンパク質を2.2g/1日、脂質を1g/1日とすると、それぞれ154gと70gです。
体重と運動強度から一日の総消費カロリーを計算します。このカロリー量を摂取すれば体重が増えも減りもしないカロリーのことです。体重70kgで一日8000歩程度歩く人なら大体2500kcalとなります。
総摂取カロリーは維持カロリーにバルクアップ用のプラスカロリーを足します。リーンバルクなら+500kcal~1000kcalです。ここでは+1000kcalとして、総摂取カロリーを3500kcalと設定します
総摂取カロリーからタンパク質と脂質のカロリーを引き、残ったカロリーを炭水化物量にします。タンパク質は4kcal/gで脂質は9kcal/gなので154×4+70×9=1260kcalとなります。総摂取カロリーからこのカロリーを引いて3500-1260=2254kcalとなります。このカロリーを炭水化物に直すと2254/4=563gになります。
このままの食事をとってもよいですが、炭水化物の量をある程度のこしつつ他の栄養素にカロリーを分配しても構いません。体の反応を見ながら調整していくのはこの部分です。例えば炭水化物量を400g程度に抑えたい場合163g×4kcal=652kcal分の栄養素を他のマクロで摂取する必要があります。タンパク質を+50g、脂質を+50gすれば大体650kcalになるので合計のマクロバランスはタンパク質204g:脂質130g:炭水化物400gになります。
と一通り説明しましたが、計算が面倒な人向けに計算シートを用意しています。またバルクアップに必要なプラスカロリーの決め方も関連記事で確認してください。
残念なことにボディメイクに計算は避けて通れないんだ。
ただ、今まで数値管理していなかった人も数値管理で結果が出てくるはず。ちょっとずつ慣れていこう!
マクロ栄養素を意識した食生活
バルクアップ期間中には色々なものが食べ放題というようなイメージを持っている人も多いと思います。
そのような意識で何も考えずにバルクアップして、マクロ栄養素のバランスが取れていないと余分な脂肪が蓄積してしまうことでしょう。
特にタンパク質の摂取量が少ないと同じ量のカロリーをプラスして同じ量の体重の増加をしても筋肉と脂肪の増える割合が変わることが分かっています。上述の通り飽和脂肪酸を取りすぎるのも体脂肪の蓄積を進めます。
日本の外食は丼ものや麺類等圧倒的に脂質と糖質が多い食品にあふれているのでこれら食品は避けて自炊した方が良いです。
いずれ減量をする際に自炊は必須な上、今自分が食べている食事の摂取カロリーを知らないと減量を始めようがありません。
バルクアップシーズンから自炊して自分の食べる食事のカロリーを知っておくことが次のシーズンの身体を決めるのです。
まずはカレーや鍋にとりあえず食材を突っ込む料理から始めると自炊も続けられると思います。低温調理器具もおすすめです。
まとめ
今年の冬はマクロのバランスも考えて去年より一回り大きくなるぞ!
今まで適当に考えていた人も、マクロバランスを考えることで一歩先に行けるはず!バランスを最適化して筋肥大を効率化しよう!
バルクにアップに必要なマクロ栄養素バランスについていかがだったでしょうか?
バルクアップ時はとにかく何でもたくさん食べればよいという考えの方もいますが、筋肥大に効率的なマクロバランスというものがあります。
今まで適当にバルクアップして脂肪ばかりが増えていた、思うようにバルクアップできなかった人などはマクロバランスを見直してみると変わるかもしれません。
今回の記事があなたの悩みに少しでも役に立てば私もうれしいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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